患者の情報収集の重要性

看護師が適切な看護をするためには、いかに患者の情報収集をするかが重要となる。看護は患者一人ひとりの状態に合わせて提供されるものであり、患者の情報は多ければ多いほど良いといえる。効率良く情報収集するためには、患者に対して興味を持つことが大切だ。人は興味のあるものに対しては、もっと知りたいという知識欲が湧いてくる。

また、情報収集が上手な看護師は、コミュニケーション能力に長けている傾向がある。患者と気軽に会話ができる関係性になれば、互いに信頼関係が構築されてくるものだ。人は信頼ができる相手に対しては、愚痴を言ったり相談をしたり、オープンに接してくることが多い。そうなれば、何気ない日常会話からさまざまな情報を得ることができるだろう。

患者の基本情報は、カルテに記載されているが、これだけでは見えてこない部分もある。例えば痛みというのは検査で数値化できるものではない。実際、診断では何も異常がないのに本人は痛がっているというケースは往々にしてある。患者の痛みに気づくためには、患者の様子をよく確認するか、会話を通して聞き出す必要がある。同様の疾患であっても、患者によって痛みの感じ方は違ってくるのだ。

また病気に対する考え方、心の状態などにも違いがある。「病は気から」といわれるように、物事を悪い方向に考えてしまう人は心身が不安定になり、病気を発症しやすいばかりでなく治療にも時間を要する傾向があるとされている。それを踏まえると、いかに患者に安心を与えるかが重要かがわかるだろう。治療をより良い形で進めていきたいなら、患者の心にやさしく寄り添い、前向きな気持ちを引き出すケアをすることが重要なのだ。